
こんにちは、「地代・家賃の鑑定相談室」不動産鑑定士の上銘です。
「賃料が今の市場に合っているのか判断できない」「家賃改定の説得力のある根拠が欲しい」—これは、多くのオーナー様が抱える地代・家賃の悩みの核心です。
なぜ「代表的なマンションの賃料」が重要なのか?
周辺の家賃相場を理解することは、現在の現行家賃が高いのか安いのか判断できるようになるための第一歩です。
しかし、単にインターネットで検索した募集情報だけでは、そのデータが「適正」か判断できません。
当サイトでは、そのエリアの家賃相場を把握に有用な、代表的なマンションの賃貸募集事例を定期的に確認し、独自の視点で集計・分析しております。
このデータは、皆様の家賃の改定等の一つの根拠資料となり得る、価値の高い情報と自負しております。
今回は、福岡・六本松の最も好立地である「MJR六本松」の賃料データを詳細に分析し、六本松エリアの賃料トレンドと、それが賃料改定にどう役立つかを解説いたします。
MJR六本松の賃料推移データ分析(2019年〜2025年)
このデータは、各社住宅情報ポータルサイト等より募集事例を収集し、集計したものです。集計にあたっては、最上階やプレミア住戸などの賃料単価が著しく異なる住戸については、平均値の観点から著者判断で除外しています。
表1:MJR六本松 賃料推移(坪単価・目安賃料)

| 項目 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | 2025年 |
| 集計件数※ | 6 | 9 | 11 | 5 | 8 | 10 | 4 |
| 平均住戸目安賃料(85㎡) | 260,000円 | 244,000円 | 253,000円 | 247,000円 | 281,000円 | 276,000円 | 277,000円 |
| 賃料坪単価(円/坪) | 10,119 | 9,471 | 9,824 | 9,618 | 10,913 | 10,752 | 10,771 |
| 前年比 | – | 94% | 104% | 98% | 114% | 98% | 100% |
※平均住戸目安賃料は、85㎡の床面積を基準に算出したものです。
データから読み解く六本松エリアの賃料トレンド
MJR六本松の賃料データからは、六本松エリア特有の賃貸市場の動きと、賃料改定の根拠となる重要な傾向が見て取れます。
1. 一時的な下落を乗り越えた、力強い回復(2023年のV字回復)
2019年から2022年の期間、坪単価は微減傾向にありました。
これは、新型コロナウイルスの影響や、一時的な供給増などが要因と考えられます。
しかし、2023年に平均賃料が前年比114%という驚異的なV字回復を遂げ、坪単価は10,913円に到達しました。
コロナ禍からの経済回復に加え、六本松エリアのブランド力と住居需要旺盛さが改めて市場で評価されたことを示しています。
2. 高水準での安定化(2023年〜2025年)
2023年に急騰した後、2024年、2025年と賃料はほぼ横ばい(前年比98%~100%)で推移し、坪単価10,700円台という高い水準で安定しています。
賃料水準が高値をつけた後も崩れることなく、この水準が六本松エリアの新規賃料の「適正ライン」として定着したことを示しています。
3. 「適正賃料」は28万円前後が目安(85㎡基準)
このデータから、MJR六本松の85㎡クラスの平均住戸目安賃料は、直近3年間(2023年〜2025年)で277,000円〜281,000円程度が周辺相場の適正水準となっていることがわかります。
もし、皆さまが運用している不動産の現行家賃がこの水準を大きく下回っている場合、賃料改定(増額)の可能性を示す強力な交渉材料となります。
【オーナー向け】このデータを賃料改定の根拠として活用する方法
このMJR六本松の賃料推移データは、不動産鑑定士が行う賃料鑑定の重要なプロセスである賃貸事例比較法の有力な基礎データとなります。
1. 現行家賃の適正性チェック
まず、貴殿の物件の現行家賃をこの周辺相場との比較データと照らし合わせてください。
特に六本松エリアやその周辺にある築年数が近い物件の場合、市場は「坪単価10,700円以上が適正」と判断している可能性が高いです。
- 現行家賃が26万円以下の場合(85㎡):市場相場と比べて低い可能性が高く、賃料増額の根拠となります。
- 現行家賃が28万円以上の場合:市場相場に適正、または上回っていると判断できますが、固定資産税課税明細などのコスト要因を分析し、継続賃料の視点からさらに増額の余地がないか検証が必要です。
2. 築年数経過の減価を相殺する「立地プレミアム」の証明
MJR六本松のようなブランド力と立地を持つ物件の賃料が高い水準で安定していることは、「築年数経過による減価」をエリアの魅力が相殺していることの証明となります。
このデータは、借主側からの家賃減額請求に対する説得力のある反論材料としても利用できます。
3. 賃料交渉の経緯に活用する具体的数値
賃料交渉では、「周辺が上がっている」という抽象的な主張は通りづらい傾向にあります。
客観的なデータが示す数値(例:2023年に前年比114%の上昇があったこと)を用いることで、交渉材料としての説得力が格段に向上します。
【テナント向け】「相場が高い」と感じた時の不動産鑑定士の役割
このデータは、賃料が高い水準にあることを示していますが、テナント様にとっても重要です。
1. 家賃減額請求の判断材料としての活用
もし現行家賃が30万円を超えている場合(85㎡):この周辺相場との比較データを用い、現在の賃料が適正水準を超えている可能性がないか、家賃減額請求の根拠として鑑定評価を依頼するという選択肢が生まれます。
2. 個別評価による減額の可能性
鑑定士は、単に平均値を見るだけでなく、物件の階数、向き、設備グレードなど、個別要因を細かく補正して最終的な適正賃料を導き出します。
平均相場が高くても、個別評価により減額の余地が見つかることがあります。
室長の視点:不動産「データ集」としてご活用ください
室長の視点
「地代・家賃の鑑定相談室」では、今後も六本松エリアだけでなく、博多、天神など福岡都市圏の主要エリアの代表的なマンションの賃料データを定期的に分析し、データ集のように活用いただける専門情報を提供してまいります。
賃料改定の根拠が必要なオーナー様、適正賃料を知りたいテナント様は、ぜひこのデータをご活用ください。
より詳細な個別鑑定をご希望の場合は、不動産鑑定士である私たちにご相談ください。
皆様の地代・家賃の悩みの解決を全力でサポートいたします!

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